情熱の薔薇について考える
蝉の声が響き出した夏空をぼーっと眺めていると、ある旋律と歌詞と、疑問がふと浮かんできました。
“なるべく小さな幸せとなるべく小さな不幸せ
なるべくいっぱい集めよう
そんな気持ち分かるでしょ”
ザ・ブルーハーツの、情熱の薔薇。
言わずと知れた名曲ですね。
僕も大好きな歌です。
ただ、この部分の歌詞の意味、どうも分からないなーという方、案外多いんじゃないでしょうか。僕も分かりません。
ネットで色々調べてみたりしましたが、作った本人以外分からなそうなので、自分なりに想像するしかない訳です。
と、言うわけで、今日はその意味をなんとなく想像しつつ、ブログという形で残してみようと思います。
誰得なのかは分かりません。笑
まず、出だしから最初のサビまでは、なんとなく分かりますよね。
書き出しみましょう。
出だしは、
“永遠なのか 本当か 時の流れは続くのか
いつまで経っても変わらない そんなものあるだろうか“
こういうはじまりです。
僕が想像したのは、ダイヤモンドです。
僕の記憶では、割とこの当時(1990年)って、「ダイヤモンドは永遠の輝き」みたいなCMが流れてたり、トレンディドラマっていうんですかね?そいうのの全盛期だったりで、永遠の愛みたいなものの憧れって、結構あったかなーと思うんです。加えて、バブル景気で、いい車だったり、万札でタクシー止めてたり、なんだか日本中がキラキラしていたっていう時代背景ですね。
ブルーハーツの歌詞の特徴として、僕は逆説を本当に上手く使っているな〜っていう印象があって、例えば、
”君のこと笑う奴は 豆腐にぶつかって死んじまえ“
とか。因みにこれは、「ダンスナンバー」っていう曲ですね。
頑張ってる人を笑ってるお前なんて、豆腐にぶつかって死ぬくらい弱くて脆くてダサい!っていう、なんか小学生の文句みたいですけど、面白いですよね。色んな言葉や言い回しがある中で、結局、小学生みたいな文句、っていうのが一番パワーある気がしますよね。ブルーハーツの歌詞が、シンプルで分かりやすいけどパワーがある大きな要因の一つだと思います。
あとは、やっぱりリンダリンダですよね。
「ドブネズミみたいに美しくなりたい」
ねー。日本中がびっくりした歌詞なんじゃないかな。
甲本ヒロトっていう人は、逆説詞から人間の本質をつく天才なんだと思う。
さて、少し脱線しちゃいましたが、永遠だったり変わらないものっていうものに対して、本当にそうなのか?っていう、まずシンプルな問いかけから入ってますね。
で、こう続きます。
”見てきたものや聞いたこと 今まで覚えた全部
デタラメだったら面白い そんな気持ち分かるでしょ“
これは、何だかすごくテンションが上がってくる一説ですよね。
多分、この部分が好きっていう人、多いんじゃないかな。歌ってても、なんかめちゃめちゃ気持ちE〜!
歌詞の意味的には、そんなに難しくはなさそうですよね。
例えば「いないいないばぁ」なんかが近いかな〜と思ったんですが、手で顔が隠されてて、パッと離した時にはものすごい顔になっている、幼児が喜ぶ鉄板の遊びですね。我が家でも大活躍です。
あれって、要は、自分が今まで知っていた筈の事(顔)が、本当はデタラメでした〜っていうロジックじゃないですか?手品とかもそうだけど、常識が覆されると、人って本能的にテンション上がるんでしょうね。加えて、常識なんてデタラメっていう考え方は、まさにロックンロールという音楽の根源みたいなものも感じます。
この部分の歌詞の意味と、なんとなくテンションが上がる要因についての僕の見解はそんな感じ。
ここまでは、何となく子供でも分かりそうな意味でテンション上がっていくような感じなのに、それ以降この歌は、一気に大人っぽいというか、文学的になります。
”答えはきっと奥の方 心のずっと奥の方“
「答え」とか「心」とか、何となく考えさせられるような語句が並びます。その上で、
”涙はそこからやってくる 心のずっと奥の方“
となります。
これで終わって間奏です。
なんとなくサビがあったような、でも違うような、モヤっと考えさせておいて、一旦CMみたいな。笑
で、間奏が終わって、問題の一説から2番がはじまる訳です。
”なるべく小さな幸せとなるべく小さな不幸せ
なるべくいっぱい集めようそんな気持ち分かるでしょ“
皆さん、これはどういう意味だと思いますか?
大きな幸せじゃなくて、なんで小さな幸せを集めるんでしょう。
しかも、不幸せまで集めちゃってるっていう。
なんで?
NA・N・DE???
僕の見解。
この部分で言いたかったのは恐らく、
「お前のままでいいんだよ」
って事なのではないでしょうか。
この歌のここまでの流れや、他のブルーハーツの曲を考えた時に、そんな気がしたんです。
つまり、
永遠に憧れていて、でも、本当にそんなものあるのかな?って思っている。その上で、みんなが憧れてるダイヤモンドだったり、いい車だったり、周りの人が言ってる大きな幸せみたいなものに、憧れはあるんだけどデタラメだったら面白いなって思ってる。
例えば、近所の定食屋のカレーライスがやたら美味しかったり、綺麗な石ころを見つけてちょっとテンション上がったり。でも、些細なことで落ち込んだり喧嘩したり。
そんな自分ってなんだろう。
でも、集めよう。
なるべく小さな幸せと不幸せを。
今のお前のままでいいんだよ。
こんな見解は如何でしょうか。
こんなことを想像して聴くと、この歌、益々元気付けられませんか?
いやー、良かった。
行き当たりばったりで、なんとなくこのブログ書いていみたのですが、なんとなく腑に落ちた。俺得ブログでしたね。
折角なので、最後までいきましょう。
そんな隠された励ましからの、
“答えはきっと奥の方 心のずっと奥の方
涙はそこからやってくる 心のずっと奥の方“
つまり、何が幸せなのか、何が不幸なのかっていう答えは、お前の心の中にあるんだよ。
お前が感じたことが全て。
嬉し涙も悔し涙も、そこからやってくるんだよ、と。
流れからいくと、そんな風に聞こえてきます。
そして、遂にサビです!
”情熱の真っ赤なバラを 胸に咲かせよう
花瓶に水をあげましょう
心のずっと奥の方“
おや?
なんだか比喩的です。
ちょっとハッキリしません。
どうしたブルーハーツ!?
何が言いたいんだ〜〜!?
最後の最後に残された謎。
情熱の薔薇と花瓶と水。
これは一体、どういう事なのでしょうか。
例えば、こう置き換えてみましょう。
情熱の真っ赤な薔薇=熱い想い
花瓶=薔薇が入っている器
”熱い想いが入った器に水をあげましょう“
少しだけ見えてきた気がしますね。
熱い想い、つまり夢だったり、言いたい事だったり、なんだったら怒りでもいいと思います。だから、向日葵とか蒲公英じゃなくて、美しいけど棘がある薔薇なんですね。
さらに、水をあげる、つまり育てるっていう事ですね。しかも、ここでは薔薇、つまり花に例えているので、毎日毎日、枯れないように水をやって育てなければいけない訳です。
まとめると、
永遠や、人の言う大きな幸せなんて本当にある(必要)のか?
今のお前のままでいいんだぜ。
本当の答えはお前の心の中にある。
心の奥で、毎日、大事に大事に育てなよ。
ブルーーーーハーーーーツ!!!!
なんて優しい歌なんだ。。
はい、というわけで如何だったでしょうか。
これ面白いね。このシリーズ、やっていきましょうか。
「名曲◯◯について考えてみた」。ねー。
歌ってて思うのが、やっぱり歌詞って、案外ちゃんと聞いてくれてるっていうか、気にしてくれてるんですよね。僕が、弾き語りのスタイルだから尚更そう感じるんだと思いますが。
この間のゆんたくでも、僕の歌の歌詞について、ある方がかなり熱く語って頂いたんですが、それが凄く嬉しくて。歌詞って、一番苦労するんですよね。かと思えば、パーっとできることもあるし。
音楽って自由なものですが、歌はやっぱり歌詞ですもんね。
そして、世の中の名曲と呼ばれているものの多くには、歌詞がついています。その名曲と呼ばれている歌の歌詞について、こうやってがっつり考察してみるのは自分の為にもなるし、これを読んで下さった方が、「そういう捉え方もあるのね〜ふーん。私はこう思うけど!」みたいな感じで、その名曲について考えるきっかけになったり、何より楽しんでもらえたら幸いです。
次は何やろっかなー。
答えは、僕の心の奥にあります。笑
恵太
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